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「怖い」を語る(前編)

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スタッフブログをご覧の皆さま、こんにちは。怪談大好き・プランナーKです。

もうすぐ8月も終わりますね。怪談の季節が過ぎ去ろうとしています。自分的には365日全てが怪談シーズン!......と言いたいところですが、夏は心霊特番やら何やらで(ごく一部の)世間も賑わうので、やっぱり怪談好きにとって嬉しい季節には違いないなぁと思う今日この頃。

子供の頃は劇場版・学校の怪談のCMが流れ出すだけでチャンネルを切り替えるほど怖がりだった私ですが(アレの口裂け女、めちゃ怖くないですか?)、プランナーとして活動するようになってからはそんなホラー映画の見方もちょっと変わってきたように思えます。

(怖がりは治っていません)

「何故、あのシーンはあんなにも怖かったのか?」というところを自分なりに分析してみると、映画ならではの仕掛けや見せ方が隠されていて「これはゲームを作るときにも参考になるんじゃないか?」という事が結構あるんですよね。

映画にしてもゲームにしても、観客(あるいはプレイヤー)の感情を刺激しようとしているのは同じなので、そこからヒントを得るという人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は【プランナーK、「怖い」を語る(前編)】と称しまして、日本のホラー映画の話題を絡めながら私なりの視点で恐怖心を煽る為のあれやこれやについて語りたいと思います。

■怖いものを見る、という心構え

ホラーは、コメディやヒューマンドラマと違い「恐怖」という陰の感情を刺激するジャンルです。つまり「これから嫌な思いをする」という前提があるわけですから、観客もそれなりに身構えた状態で視聴するわけです。

RPGで壺が出てきたら何の抵抗もなく調べるのに、ホラーゲームになると「何かが出るかも」と緊張してしまうのはそこですよね。ゲームにせよ映画にせよ、制作する側はそういった感情の入り口が違う事を念頭に置いて内容を考えていかないと、幽霊やら殺人鬼やらホラーの要素は揃っているのに、イマイチ怖さに欠ける作品に仕上がってしまうのかなと思うのです。

「そりゃホラーだもん、幽霊とか殺人鬼とか当然出てきますよね!知ってた!」と。

では、そんな観客に怖いと思わせるにはどうすればいいのでしょうか?

■観客の思考を誘導する

「Kさんが怖いと思うホラー映画のワンシーンは?」と聞かれると、真っ先に思い浮かぶのが劇場版 呪怨の伊東美咲さん演じる仁美のエピソードです。

少しネタバレになりますが、怯える仁美の行動一つ一つが「お前は俺か」と言いたくなるぐらい「怖がり」の行動をなぞっているんですよね。

たとえば自分は、怪談やホラー映画を視聴した後、その余韻で身の回りの物音や暗闇ひとつで不安になったりするのですが、そんなときは家中の電気を付けたり、音楽を流したりして不安を紛らわせようとします。

しかし劇場版 呪怨の仁美編ではそれらの不安要素を打ち消す行動が後々の恐怖の描写に繋がっている為、感情移入して観ていた人ほどクライマックスの展開でド肝を抜かれた事と思います(おもに私です)。

自分がゲームのアイディアを出すときは、最初に「プレイヤーにどう思わせたいか」「どういう反応をさせたいか」というのを考えて、そこから狙い通りのリアクションを引き出す為のレールとしてシステムを考えるようにしています。

劇場版 呪怨の仁美パートを初めて観たとき、「まさかあんな所から攻めてくるとは!」と思ったのですが、これが監督の狙っていたリアクションだと仮定して再度視聴すると、「このカメラアングルはこう思わせる為のものなのか」という考察を交えながら観る余裕も出来てなかなか面白かったりします。

例えば、不安に陥った仁美が布団に潜ってテレビを点けるシーン。ここでは布団に入ってからリモコンを手にするまでに微妙な間が挟まれています。この「間」によって観客である私自身も「周りが静かだ」という事を意識させられ、最終的に仁美の「テレビを点けて不安を紛らわす」という行動に安心させられたりするわけです。

しかし、この後すぐにテレビが不穏な動きを見せ始める為「テレビか?テレビから来るのか?貞子か?」と身構えたり、テレビの映像が途切れると「テレビじゃないなら、どこからくるんだ?」といった具合に先の展開を予想し始めます(このときほんの僅かではありますが、思わせぶりなカットがあるようにもみえます)。

そんな中、満を持して登場する呪怨のヒロイン・伽耶子さん。

このシーンは予告編のラストにも使われていました。自分と同じように「あそこから攻めてくるとは思わなかった」と驚かれた方も多いのではないでしょうか?

観客に先の展開を予想させたうえで裏切る、という一連の流れがあったからこそ、あそこまで印象的なシーンになったのではないかと思います。

プランナーという職に就かなければ、こんなふうに映画を自分なりに分析する事もなかったんだろうなぁ(笑)。

......そういえばこの間、うどんプログラマーTさんから「Kさん、ホラー好きなのにめちゃくちゃビビリだよね」と嘲笑われました。

極度の怖がりだからこそ、作り手が張り巡らした「怖がらせるための仕掛け」を敏感に察知することが出来るのだと主張すれば良かったなと、この記事を書きながら後悔。

怖がりじゃなきゃホラー好きにはなれないですよ!多分!

そんなこんなで次回の【プランナーK、「怖い」を語る(後編)】では、「想像で恐怖心を煽る」と「印象に残る演出」をテーマに語りたいと思います。

以上、大阪梅田に期間限定でオープンしたお化け屋敷が気になるプランナー・Kでした!

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